東京消防庁本町待機宿舎

東京消防庁本町待機宿舎

公務員宿舎の建替え

本町待機宿舎は、東京消防庁職員の居住施設です。敷地には5棟の待機宿舎(昭35-48年建設)が立っていましたが、老朽化したための建替えを行いました。敷地東側道路及び西側道路にはそれぞれ2m、1m幅の歩道状空地を整備。東側斜面は、かつては擁壁となっていましたが、緑化された法面とし、環境の向上に寄与しています。

建物は南北に長いコの字型配置とし、東と西の長い棟はファミリー向け、南の棟は単身者向けを計画。単身者用住戸もシェアハウス型として、ファミリー向けに転用できる平面形となっています。共に間口の広い住戸としました。幅の広い外部廊下に面しているので、良好な採光・通風が確保されています。周辺は戸建住宅地であるため、それに調和するような雁行するプランを採用し、小刻みなスケール感を表現しました。南棟には緊急車両用のボイドをあけ、長い東棟西棟には合計5ケ所のボイド(階段室)を設け、立面の単調さを避け、良好な通風を実現しています。

建物の構造は耐震壁付ラーメン構造を採用し、床版にPC鋼線を導入することで、各住戸内に梁型を出さない空間としました。時代や居住者の家族構成に合わせた自由な間取りに自由に変更できるようなフレキシブルな空間としています。中庭空間は緑豊かな憩いの空間とし、緊急時には近隣の住民の方たちも、中央を東西に通り抜けて避難できるような仕組みにしました。

所在地
東京都渋谷区
敷地・対象面積
8,130m2
事業主
東京消防庁
業務内容
建築設計・工事監理
業務期間
2011.08-2020.08  
用途
共同住宅
延床面積
9,287m2
建物高さ
15m
構造
鉄筋コンクリート造
階数
地上5F
住戸数
110戸
施工
飛島建設株式会社